2019/06/05慶應義塾大学SFC AO入試合格者の志望理由を大公開第1弾!

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志門倉田

志門倉田慶應義塾大学 環境情報学部4年

大学二年時にベンチャー2社で役員を経験。その後はフリーのwebデザイナーとして働く。現在は、8crossのクリエイター、一般社団法人クロスポイントプロジェクト理事を兼任する。

2016年入学 慶應義塾大学 環境情報学部 : 第1期A方式

今回は、慶應義塾大学 環境情報学部にAO入試第1期A方式で合格された方の志望理由を公開したいと思います。ちなみに、合格者情報は以下の通りです。

高校 : 非公開
評定平均 : 2.8
課外活動 : 1年間の留学

志望理由

 もっと使いやすいソフトウェアがあったらいいのに。私のソフトウェア開発は、そんな「あったらいいな」の具 現化から始まった。高校1年生の時、パソコンを手に入れたことをきっかけに、プログラミングの書籍を購入し独学でプログラミングにのめり込んだ。手始めに学習した言語は、Microsoft社が開発した「Visual C#」で、その次に 学習したのは「PHP」である。私はこれまで、高校生プログラマーとして、様々な種類のソフトウェアを開発・配 布してきた。初心者でも使いやすいシンプルなHTMLエディター、プロキシサーバーをボタン1つ押すだけで自動的に設定する機能とSkypeのみにプロキシを透過させる機能を搭載したソフトウェアなど、その種類は多種多様だ。 特に前者のソフトウェアは、プロキシを知らない人や設定の方法がわからない人にも簡単に使えるようにする目的 で開発した。これからも私は、使いやすさを追求し続け、可能性に満ちたソフトウェア開発するITのパイオニアになりたい。

 そんな私は、SFCで学び、人工知能と音声認識を使った人間の相槌まで認識できる「新しい対話型インターフェイス」を開発したいと考えている。Apple社のiPhoneに搭載されている音声認識機能のSiriのように人の声を認識し対話をすることでユーザーの目的を実行するアプリケーションは多くある。しかし、既存のものは、本来の円滑なコミュニケーション手段であり、最小の感情表現である「相槌」を打つと、その瞬間に決して相槌の音や意味性をプログラムが理解することはなく、対話が途切れてしまう。私はこの「相槌」に代表される、人間独特の対話のリズムまでをも組みとる対話型インターフェイスを開発したいのだ。 相槌のパラ言語的側面に着目した先行的な研究がある。情報処理学会論文誌(1999)「韻律情報を用いた相槌の挿 入」という論文によると、人間は相槌が打たれるまで300ミリ秒以上あると不適切と感じるという。人間の感性は繊細だ。一方で、人間とロボットの会話において相槌の生成を試みる研究がある。人工知能学会論文誌(2015)「ASEに基づく相槌によるロボットとの対話体験の向上」という論文によれば、決定木学習を用いた話者交替・継続の判別実験をはじめ、相槌タイミングを決定する手法やユーザーの話題に対する関心度に応じて単純相槌や反復相槌を使い分ける方法などが提案されているという。しかし、相槌のように短時間の発話で比較的シンプルな表現であってもプログラムに自然で人間らしい振る舞いを行わせるためには、タイミングの決定や表現の選択に複雑な手法を 実装する必要がある。事実、ASE(Artifical Subtle Expression) を使いビープ音で相槌を再現する実験では、単純にユ ーザーに同じパターンを繰り返すだけの物にもかかわらず高評価を受けていた。

 光吉俊二博士の開発したST(Sensitive Technology)などには人間の感情を理解する機能が実装されている。しかし、怒りや、悲しみといった情動は解析できても、人間の会話にある「間」や「相槌」などの暗黙知的な部分は解析することができない。他に様々な対話型のアプリケーションは存在するがどれも同様であった。 そこで、私は実験した。既存のシステムがどれだけ「間」や「相槌」を理解できるか試したのだ。実験は全て同 じ条件で行うべく、使用する音声は録音した物を使用した。 まず初めに「僕のことどう思う?」に対する Siriの反応を100回調べた。すると、「大事なのはあなたの考えですよ」「私にはなんとも言えません」「すみませんがそれ にはお答えできません」「我を思う、故に我あり。デカルトさんの言葉は深いですね」「尋ねてくださって嬉しいのですが、私の言うことなんて取るにたらないですよ」この5つの反応が返ってきた。それらに対して私は最初の1つに対して「うん」後の2つは「そうかなぁ」「そうだね」と相槌をした。それぞれの相槌に対する Siriの返答を各100回ずつ調べたが、それぞれに4から5個の返答のパターンがあった。「僕のことどう思う?」「訪ねてくださって嬉しいですが、私に言うことなんて取るに足らないですよ」「そうかなぁ」「お褒め頂きありがとうございます」 など会話の流れが明らかに不自然になってしまうものもあった。この実験からSiriはただのパターンマッチングであると私は推測した。ただのパターンマッチングではなく、最小の感情表現である相槌を対話から理解できるような対話型インターフェイスを開発したい。

 人間の相槌などの非言語的なものを理解できる対話型インターフェイスを実現するためには多くの学びが求められるだろう。SFCの諏訪研究会では、「メタ認知」や認知の過程あるいは言葉に表せる知覚に対して、言葉に表せない、説明できない身体の作動を指す「暗黙知」の探求をしながら人間とういものが研究されている。これは、プログラムに人間の思考や相槌などの非言語的なものを理解させるのにとても重要なことである。なぜなら、開発者側 がそれを知らなければ実装することは不可能であるからだ。また、SFC では、文理関係なくプログラミングについて学ぶことができる。この環境が私の目標を実現するためのこれ以上ない研究の環境をあたえてくれることを期待する。私の大学4年間をSFCに捧げ、ユーザビリティを向上させるための対話型のインターフェイスを開発するこ とのできる人間になりたい。

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