2019/06/09慶應義塾大学SFC AO入試合格者の志望理由を大公開第2弾!

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志門倉田

志門倉田慶應義塾大学 環境情報学部4年

大学二年時にベンチャー2社で役員を経験。その後はフリーのwebデザイナーとして働く。現在は、8crossのクリエイター、一般社団法人クロスポイントプロジェクト理事を兼任する。

2017年入学 慶應義塾大学 環境情報学部 : 第2期A方式

今回は、慶應義塾大学 環境情報学部にAO入試第2期A方式で合格された方の志望理由を公開したいと思います。ちなみに、合格者情報は以下の通りです。

高校 : 非公開
評定平均 : 非公開
課外活動 : 幼少期のスウェーデンでの生活

志望理由

「雨の日は危ないので外では遊んではいけません」5歳の時に日本の幼稚園で先生に言われたこの言葉に衝撃を受けた。それまで、私が過ごしていたスウェーデンの幼稚園では、雨の日に外に出て遊ぶことは普通だった。「滑って転んでも、先生はたくさんのお友達の手当てができないの。それに風邪をひいたら大変でしょ」他の子供たちは素直に先生に従う。雨の日は雨合羽を着て外で遊ぶのが当たり前だと思っていた私は呆然としてしまった。先生は雨がどんなに素敵なものかも知らないのか。そう思いながら私はたった一人窓の外を眺めていた。

高校生になって改めて考えると、雨の日は外で遊べないという考え方には、日本の幼児教育の問題点が隠されていると思う。まず、子供の大切な学びの機会を奪っているということは言うまでもない。OECDのPISAによると、日本人の子供は学習意欲や創造性が低いことが指摘されている。先の例のように、日本の幼稚園では、たくさんの子供たちを一遍に面倒をみる便宜上、子供の学びの場を知らず知らずのうちに奪ってしまっているのかもしれない。それだけではない。この時の先生の言葉からは、少しでも自分の仕事を減らしたいと願う先生の心の叫びが聞こえてくる。スウェーデンでは一人の先生が面倒を見る子供はたったの5人だったのに対し、日本の幼稚園では一人の先生が30人もの子供たちの面倒を見ていた。先生ができるだけ面倒なことを避けたがる気持ちも理解できる。しかし、現在日本では待機児童問題が深刻化しており、このような状況は改善されるどころか悪化している。各自治体が様々な政策をとっているが、過去に待機児童0人達成を発表した横浜市でさえ、待機児童の定義を変えたり、子供の受け入れ枠を増やしたり、駐車場や地下などに保育施設を作ったりするなど、根本的な原因を解決しなかったため、結果的に子供たちと保育士、そして親が大きな負担をする事態を招いてしまったのである。

このような考察の結果、既存の幼児教育以上の教育が求められているという考えに至った。具体的には、学習意欲と創造性を育てるために、子供たちの「好き」に先生がアプローチをかけ「学び」に変える、そんな教育を取り入れることを提案したい。「好きこそものの上手なれ」には、心理学や脳科学の面から見ても正しいということが証明されているため、そのメカニズムを利用し、幼児教育の新たな可能性を切り開きたい。そのために、自然豊かな立地や自由に絵が描ける部屋など子供たちの「好き」が常にどこかに潜んでいるような、そんな幼稚園が理想的だと思う。また、環境だけではなく子供達が自由な発想を邪魔せずに見守る「安全の基地」という考え方も取り入れていければと思う。さらに、「幼老共生」を方針に含むことにより、地域全体で子育てしていける環境づくりもしていきたい。そうすることで、「初等教育改革」と「地域社会改革」の両面からアプローチでき、早急な問題解決につながるのではないか。一方で、幼児教育を改革したところでその先の小・中・高の教育は変わらないので意味がないとの指摘もあるだろう。しかし、子供の脳の発達は0歳に近ければ近いほど高度の能力があり、学習意欲も旺盛だと言われているので幼児教育にこそ改革する意味があるのである(東北大学院教養学部総合研究論文:1999)。

とはいえ、私のこのプランを実践するためにはまだまだ多くの学びが必要だろう。SFCでは、中室牧子准教授の下で教育経済学を学ぶことで自分の経験とデータを的確に照らし合わせながら分析し、より多くの子供たちに一番大きな効果がある教育の規則性を見出したい。また、幼児それぞれの発達段階にあった教育方法をより正確に分析するために、今井むつみ教授の元で発達心理学を学び、それをどう幼児教育に生かすことが出来るかを研究したい。さらに、日本の行政とも深い関わりのある鈴木寛教授のソーシャルイノベーションや新事業創造に関する授業を履修することで、政策やメディアなども視野に入れた起業家としての学びを深めたい。そのほかにも留学制度を利用し、教育先進国と呼ばれる国で実際に学ぶことによって、より広い視野で多面的に教育と向き合う力を養い、日本では実際にどんなことが実現可能であるか、何が効果的であるかを考えたい。子供たちの持つ一つ一つ可能性が人間社会の未来を明るくするために、貴学への入学を強く志望する。

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